2014年10月17日金曜日

「古都税」の導入が検討

日本では地方税法により、各地方政府の課税自主権が認められていないが、法定外普通税という形でごく例外的に自主権を発揮することができる。しかしこれとて新設・変更にあたり自治大臣の許可制なので、地方政府が百パーセント勝手に振る舞えるというものではない。

京都や奈良のように、寺や神社など歴史的遺産があり年中観光客でにぎわう都市には、ゴミ処理、交通整理など様々な財政需要が発生する。このコストを応益説にもとづき、その地域以外からくる観光客に負担してもらうため、お寺などの拝観料、入場料に税金を課するのも一つの方法であろう。

一時期、京都で「古都税」の導入が検討されたが、寺社側の猛反対で陽の目をみなかった経緯がある。この系統に属するものとして、‐現在文化観光施設税が日光市と松島町で課されている。

同じように、別荘、ヨットなどは、ある地域にはしばしば迷惑を与え、その処理にコストを要することがある。その地域に居住しない所有者が、その地域のインフラを無料で使用するだけでなく、管理・維持に伴い地元の住民の負担を強いるのは筋違いともいえよう。

かかる視点から、熱海市が別荘等所有税をもっている。また一時期、三浦町でヨット・モーターボート税を課したことがあるが、徴税が十分に行えず挫折した経緯もある。いずれにしろ、これらは国税にない一味も二味もちがう税金で、地域の税負担と財政需要のあり方を考えさせてくれる。